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金融関連紛争

近年では,証券会社だけでなく,銀行も金融リスク商品を販売しています。また,取引先の銀行からの紹介で系列の証券会社を紹介され,結果として金融リスク商品を購入し,大きな被害を被っている中小企業が多くなっています。そして,主な被害としては為替デリバティブと仕組債の2つがあります。

為替デリバティブ

為替デリバティブとは

為替デリバティブとは,外国為替という現物の金融商品から派生した取引のひとつをさします。その中でも,中小企業に甚大な被害をもたらしている代表的なものは「通貨オプション取引」と呼ばれる取引です。
通貨オプション取引とは,「将来の特定の期日に,あらかじめ定められた価格で,特定の外貨を売買する権利」を売買する取引のことです。

為替デリバティブの問題点

この為替デリバティブ取引の問題点は,銀行や証券会社は,この通貨オプション取引を販売する際に「為替リスクをヘッジするために有用な商品」と説明をしてきましたが,商品自体の特性や付加された特約などにより,そもそも「為替リスクをヘッジ」できていないことのみならず,銀行が商品の仕組みやリスクなどを顧客に十分説明していたのかについて大いに疑問がある点です。

アディーレ法律事務所では,為替デリバティブ商品の被害に関して多くの解決実績がございます。経験や知識を活かして解決に努めますので,弁護士までお気軽にご相談ください。

仕組債

仕組債とは

仕組債は,1990年代から普及し始めたもので,通常の一般的な債券にスワップやオプションなどのデリバティブを加えたものをさします。つまり,「仕組債=一般的な債券+デリバティブ」ということになります。もっとも一般的な仕組債として以下の仕組債の発行が多くなっています。

EB債

Exchangeable Bond (エクスチェンジャブル・ボンド)の略で,日本語では「他社株転換可能債」と呼ばれる金融商品で,1998年の証券取引法改正により販売が開始されました。この商品は,一般的な債券に株式オプションを組み込んだ仕組債です。EB債は,債券であるものの,満期日に償還金の支払を受ける代わりに,当該債券の原発行者とは異なる会社の株式が交付される場合もある商品です。つまり,通常の債券は,満期日を迎えると「債券の額面+金利(クーポン)」が償還されますが,EB債においては特定の上場銘柄の株式を選択し,当該株式が満期日において当該商品で設定された水準よりも高い場合には,「元本+金利」が,設定された水準よりも低い場合には「株式+金利」が償還されることになります。これらをまとめて図で表すと,

  満期日の状況 償還
EB債 株価が設定水準よりも高い 債券の額面+金利
株価が設定水準よりも低い 株式+金利

となります。

日経平均リンク債

日経平均リンク債は,まさにその名のとおり日経平均株価にリンクして償還金や利率が変動する仕組債です。つまり,日経平均株価が決められた期間にあらかじめ決められた株価を下回る(ノックインといいます)と,償還金が日経平均株価に連動するのです。仮に,ノックインとならなければ,満期日に額面100%+金利で償還されます。

仕組債の問題点

仕組債の問題点として,為替デリバティブの問題点と同様,高度な金融工学を用いた商品であり,この仕組みを一般の金融工学を学んだことのない方が充分に理解することは困難です。この理解が非常に困難な商品を販売する証券会社や銀行は,非常に高度な説明義務を負っているはずですが,十分なリスク告知を含めた説明を販売する証券会社や銀行が行っていたのかには非常に疑問が残ります。

また,仕組債は商品によっては,20年や30年満期の商品も存在し,かつ満期を迎える前に当該商品を売却するマーケットすら存在していません。そのため,購入者が株式や先物取引でいうところのいわゆる“損切り”によるリスクヘッジができないことも非常に大きな問題点です。

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