企業法務に関する用語集

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企業法務に関する用語集 か行

解雇 [かいこ]

解雇とは、使用者が労働者との雇用契約を一方的に解除すること(いわゆる、会社が従業員を「クビ」にすること)をいいます。

解雇により、労働者は生活できなくなるため、労働基準法第19条および第20条などでは、使用者が有する解雇権にさまざまな制限を加えています。

たとえば、使用者が労働者を解雇する場合、30日以上前に予告するか、30日分以上の手当を支払う必要があります。ただし、解雇の原因が労働者にある場合、使用者はその労働者を予告なく解雇できる場合があります。

また、たとえ上記のような予告義務を果たしたとしても、使用者は理由なく労働者を解雇することはできません。使用者が労働者を解雇するためには、労働者が会社の規律を守らないことや、従業員を減らさなければ会社の存続が危ぶまれるなどの合理的な理由が必要となります。解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には解雇権を濫用したものとして無効とされてしまうのです(労働契約法第16条)。

このように、使用者の解雇権にはさまざまな制約があります。使用者がこのような制約を守らずに労働者を不当に解雇した場合には、使用者は労働者から解雇の無効や解雇無効期間中の賃金の支払、さらには慰謝料の支払を使用者に対して求められる可能性があります。

解雇権の濫用とならずに、従業員の解雇を適切に進めるためには、解雇以外の方法をもって解決しようとした経緯などを残しながら、慎重に手続を踏む必要があります。元従業員から解雇無効の主張などの労務問題を引き起こされないよう、顧問弁護士に事前に相談しながら対処することをおすすめします。

株主総会 [かぶぬしそうかい]

株主総会とは、株式会社の機関のひとつであり、1株以上(定款において1単元の株式数の定めがある場合には1単元以上)の株式を有する株主によって構成されています。詳細は、会社法の第295条から第325条(会社法・第2編株式会社 第4章機関 第1節株主総会及び種類株主総会)で規定されており、株主総会は、会社法に規定する事項および株式会社の組織、運営、管理、そのほかの「株式会社に関する一切の事項」についての決議をすることができますが(同295条1項)、取締役会設置会社においては、会社法に規定する事項と定款で定めた事項に限り決議をすることができます(同295条2項)。

決議は通常、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行われます(同309条1項、株主総会の決議)。ただし、会社法が定める一定の事項については特別多数による決定(特別決議、同309条2項)または特殊決議(同309条3項4項)が要求されます。

株主総会の種類には、定時株主総会・臨時株主総会の2つがあります。定時株主総会は毎年決算期の3ヵ月以内に開催され、主に決算承認とそれに伴う剰余金分配決議、役員の選任決議が行われます。これに対して臨時株主総会は開催時期や回数の定めはなく、株主総会決議を要する重要な意思決定事項が生じた場合に随時開催されます。

この点、弁護士は、株主総会の定足数や議決権数など基本事項の確認から始まり、総会資料のチェック、問答例を通したリハーサル、不正規発言の規制など、株主総会の事前準備や議事運営など手続面をサポートすることができます。

金融商品取引法 [きんゆうしょうひんとりひきほう]

金融商品取引法とは、金融商品取引業者・金融商品取引所の業務に関する規制、消費者の保護の制度、企業の情報公開などについて定めた法律です。以前は「証券取引法」という名称でしたが、平成18年6月に「証券取引法等の一部を改正する法律」が成立したことにより、「金融先物取引法」、「外国証券業者に関する法律」、「有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律」、「抵当証券業の規制等に関する法律」の4つを統合し、「金融商品取引法」に改正されました。

なお、この法律の一部は、「J-SOX法」と呼ばれ、内部統制報告書ないしは内部統制システムについての詳細な基準を定めています。

法令名改正に伴う主な改正内容

  1. 投資性の強い金融商品を幅広く対象とする横断的な制度の整備
  2. 公開買付に関する開示制度や大量保有報告制度の整備
  3. 四半期報告制度の導入
  4. 財務報告にかかわる内部統制の強化等に関する制度の整備
  5. 開示書類の虚偽記載及び不公正取引(インサイダー取引)の罰則強化

アディーレ法律事務所では、為替デリバティブ被害をはじめ、金融取引・金融商品に関するトラブルのご相談にも弁護士が積極的に対応しております。

経営革新等支援機関 [けいえいかくしんとうしえんきかん]

経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、一定レベル以上の税務・金融・企業財務に関する専門知識や中小企業支援の実務経験をもつ個人・機関の中で、公的な中小企業支援機関として国に認められた機関のことです。商工会や商工会議所などの中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士などが経営革新等支援機関として認定されています。

経営革新等支援機関が提供する主な支援内容としては、下記のようなものが挙げられます。

  1. 経営の「見える化」支援
  2. 事業計画の策定支援
  3. 事業計画の実行支援
  4. モニタリング支援
  5. 中小企業・小規模事業者への会計の定着支援

※詳細につきましては、中小企業庁のWebサイトをご参照ください。

中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う「経営革新等支援機関」の認定制度は、平成24年8月に創設されました。アディーレ法律事務所(関財金1第492)ならびに連携して業務を行っている税理士法人アディーレ会計事務所(関財金1第45)もそれぞれ経営革新等支援機関として認定され、中小企業の皆さまのサポートに取り組んでおります。

決算短信 [けっさんたんしん]

決算短信とは、すべての上場会社が決算発表および四半期決算発表を行う際に作成・提出する決算情報です。証券取引所が発表形式を定めており、年次報告は通期決算短信、四半期ごとの報告は四半期決算短信で行います。決算期末後45日以内の開示が適当とされ、30日以内の開示がより望ましいとされています。

決算短信に記載されている主な内容は,下記のとおりです。

  • 売上高
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引前利益
  • 当該会社の収益力や収益内容
  • 財政状態
  • 事業内容
  • 役員人事
  • 配当の状況

決算短信に記載されている情報は一般に公開されており、適時開示情報閲覧サービスまたは東証上場会社情報サービスというWebサイトで閲覧できます。監査を経ていない簡易な情報のため、有価証券報告書に比べて確定性は劣るものの速報性は高く、投資家にとって有用性の高い情報といえます。

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