企業法務

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景品表示法

消費者がより良い商品やサービスを求めることから,実際よりよく見せる表示にしているとか,過大な景品を付けて販売している,といったことはありませんか。たとえば,つぎのような場合です。

  1. 「満足度」,「合格率」など,調査や根拠のない数値を表示している
  2. 「日本で一番」,「地域で一番」など,調査や根拠のない数値を表示している
  3. 定価であるが「今だけこの価格」と表示して商品を販売している
  4. 実際には契約できない不動産の物件の広告を出している
  5. 規定された限度額を超えた景品を提供している

景品表示法とは

景品表示法の正式名称は,「不当景品類及び不当表示防止法」です。その目的は,商品やサービスの品質,内容,価格などを偽って表示することを規制する(不当な表示の禁止)とともに,過大な景品類の提供を防止するため景品類の最高額を制限することで(過大な景品類の提供の禁止),一般消費者がよりよい商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ることです。

不当な表示の禁止

表示とは,事業者が,チラシ,インターネット上の広告,新聞・雑誌広告,商品のパッケージなどに,商品・サービスの内容や取引条件について行う広告のことです。具体的には,「優良誤認表示」,「有利誤認表示」,「その他誤認されるおそれのある表示」として以下のとおり定められています。

  不当表示 概要
1 優良誤認表示

商品,サービスの品質,規格,そのほかの内容についての不当表示

  • 実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示すこと
  • 事実に相違して競争業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示すこと
2 有利誤認表示

商品,サービスの価格,そのほかの取引条件についての不当表示

  • 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
  • 競業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
3 その他誤認されるおそれのある表示
  • 無果汁の清涼飲料水などについての表示
  • 商品の原産国に関する不当な表示
  • 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  • 不動産のおとり広告に関する表示
  • おとり広告に関する表示
  • 有料老人ホームに関する不当な表示

不当表示の例としては,2013年,複数のホテル内レストランで,メニュー表示とは異なった食材を使用して料理を提供していたいわゆる「食品偽装問題」が大きく報道されたことが記憶に新しいのではないでしょうか。食品偽装問題は,やがてホテル内レストランだけでなく,大手百貨店内のレストランや飲食チェーン店など,全国各地で次々と発覚し,社会問題化しました。

ケース1

ホテルAは,8ホテル1事業部の23店舗において,メニューでは「鮮魚」,「フレッシュジュース」と表示していたが,実際には冷凍保存の魚や既製品のジュースを使用するなど47品目で偽装が判明。

ケース2

ホテルBは,4ホテルにおいて,メニューでは「車海老」,「芝海老」と表示していたが,実際にはブラックタイガーやバナメイエビを提供するなどの偽装が判明。

ケース3

百貨店Cは,百貨店8店舗,関連会社1施設において,メニューでは「芝海老」,「宮崎県産」の豚と表示していたが,実際には「バナメイエビ」,「岩手県産」の豚を使用するなどの偽装が判明。

過大な景品類の提供の禁止

景品表示法に基づく景品規制は,「一般懸賞」,「共同懸賞」,「総付景品」の3つに分けられており,それぞれ,提供できる景品類の限度額などが下記の表のとおり定められています。

くじ・じゃんけんなどによって,商品・サービスの利用者に対して景品類を提供することを「懸賞」といい,複数の事業者が参加して行う懸賞は「共同懸賞」,それ以外は「一般懸賞」としています。商品・サービスの利用者や来店者に対してもれなく提供する金品など,懸賞によらずに提供される景品類は「総付景品」となります。

一般懸賞
懸賞による取引価額 景品類の限度額
最高額 総額
5,000円未満 取引価額の20倍 懸賞に係る売上予定総額の2%
5,000円以上 10万円
共同懸賞
景品の類限度額
最高額 総額
取引価額にかかわらず30万円 懸賞に係る売上予定総額の3%
総付景品
取引価額 景品類の最高額
1,000円未満 200円
1,000円以上 取引価額の10分の2

上記以外にも,特定の業種については「業種別景品告示」が定められています。また,「オープン懸賞」と呼ばれるものについては,景品規制は適用されません。

景品表示法に違反すると

景品表示法に違反している,または違反の疑いがある場合,消費者庁は関連資料を収集し,事業者への事情聴取などの調査を実施します。調査の結果,違反行為が認められた場合は,消費者庁は当該行為をしている事業者に対し,不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除,再発防止策の実施,今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる「措置命令」を行います。違反の事実が認められない場合であっても,違反のおそれのある行為がみられた場合は指導の措置が採られます。

消費者向けビジネスでは,同業他社との厳しい競争の中で,他社との差別化を図り,消費者に向けて(新)商品を最大限にアピールしていかなければなりません。

企業に顧問弁護士が付いていれば,そのような状況の中で景品表示法に照らして違反がないかどうか,事前にチェックすることができますし,すでに違反の疑いがあるような場合は,速やかに是正に必要な対応をアドバイスすることができます。

法律の適用範囲や解釈を検討するのは,法律の専門家である弁護士がもっとも助力できる領域です。実務経験が豊富な弁護士に,早めにご相談することをおすすめします。

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