企業法務に関する用語集

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企業法務に関する用語集 あ行

IR [あいあーる]

IR(インベスターリレーションズ)とは,企業がステークホルダーである投資家に対して,投資判断に必要な情報を,適切な時期に,公平な手段により,継続して提供する活動のことです。将来の投資判断に必要な要素がすべて求められるため,過去の財務結果である決算情報に加え,中期計画、経営ビジョンなど今後の経営戦略についての説明も必要とされます。
IRの目的は,投資家と良好な関係を築き,企業活動全般の理解を深めてもらうことであり,具体的な方法としては,年次レポートの発行,Webサイトでの情報公開,決算発表後の説明会開催などがあります。

類似しているものとして,PR(パブリックリレーションズ)やディスクロージャー(情報開示)が挙げられます。PRが企業にとってポジティブな情報のみを基本として流すことに対し,IRはネガティブな情報も合わせて積極的に開示することが求められます。また,ディスクロージャーと異なる点としては,ディスクロージャーが法律で義務づけられているのに対し,IRは企業が自主的に行っているという点が挙げられます。

インハウスロイヤー [いんはうすろいやー]

インハウスロイヤーとは,企業・官公庁などの公私の団体に従業員・役員・使用人として所属し,法務部門などの業務に従事する弁護士のことです。「組織内弁護士」や「社内弁護士」,「企業内弁護士」などとも呼ばれています。

司法制度改革などの影響により,日本におけるインハウスロイヤーの人数は10年間で約10倍に増加していますが,雇用できるのは資本力のある一部の大企業に限られています。なお,企業内で担当する実務分野は,一般企業法務は必須として,M&A,IT・通信,ファイナンス,知的財産など,多岐にわたります。また,これに加え,外資系企業や海外取引の多い企業では,英語など高い語学力が必要な場合もあります。

越権行為 [えっけんこうい]

越権行為とは,特定の職務にある人や特定の事項を委任された人などが,与えられた権限の範囲外の行為を行うことをさします。

企業は効率的な運営のために職能別・階層別に組織化され,従業員は各自の職務の範囲,権限の範囲をもって業務を行います。しかし,この職務・権限の範囲を逸脱した行為があった場合,社内における指示命令系統の混乱や情報共有の不備など,企業の円滑な運営にマイナスとなる事態が発生します。また,取引先との間に越権行為があった場合には,取引停止に発展するなど,自社,取引先の双方に不利益をもたらす可能性があります。

そのため,企業は,内部統制により各従業員の職務・権限の範囲や命令系統を明確化しておくことが望ましいのです。民法第110条では,「何らかの代理権を与えられた人がその権限外の行為(=越権行為)を行い,その越権行為の相手が正当な理由によって代理人に権限があると信じたときは,本人は,代理人が第三者との間で行った行為について,責任を負わなくてはならない」と定められています。企業間における商取引においては,本人とは企業のことですので,企業が責任を負わなければならないということになります。

このようなことからも,顧問弁護士に相談のうえ,不測の事態に備えた内部統制や対策を行っておくことをおすすめします。

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